- 作者: 磯田道史,倉本一宏,フレデリック・クレインス,呉座勇一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/08/22
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- 作者: 磯田道史,倉本一宏,クレインス・フレデリック,呉座勇一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/08/22
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これも、日替わりセールだったでしょうかね。
戦乱に際して、民衆はどのように行動していたのか、という話を、古代(白村江とか壬申の乱)、中世(応仁の乱・大阪夏の陣冬の陣)、幕末にわけて、それぞれの研究者が論じ、最後に、シンポジウムというかパネルディスカッションみたいにした、講演会を一冊の本にしたような体裁。
面白かったけど、結論めいたものは別になかった。
歴史の見方に新たな軸が加わる…というまでのインパクトはこの本では得られなかったように思う。
やや食い足りない。
以下、ちょっとしたトリビア。
- 鳥羽伏見の戦いで、京都は半分以上焼け野原になってしまったのが、東京を首都に定めたもう一つの理由だった。
- 明治の初めから半ばにかけてかなりの数の町家の女子が「町ねこ」と言われて芸者さんになってゆく話などが結構あったので、焼け出された人は結構いたんだろうなということでもある。
- 戦争をチャンスと捉えて嬉々としている民衆もいたのではないか。
- (乱取り=略奪)は戦場にとっては当たり前のことだし、財産や土地を獲得したり、餓死しそうな人が延命したりすることもあったのではないか。
- 江戸時代になって、戦乱がなくなると、皆で平和にくらそう、でももう起死回生というほどのチャンスはないよ…という時代とも言える。
あと、事あるごとに京都人がディスられているのが面白かったです。
京都が舞台の話が多かったので、ディープな京都マニアの方とか、意外にオススメかも。