半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

Kindle

id:fromdusktildawnさんははてなでも有名な「分裂勘違い君劇場」というブログを長年やっている人。
多数ブックマークされるような記事は私も時々みていた。
実名はともかく「ふろむだ」というhatena idを若干残したペンネームで一般向けの本を上梓したと聞き、Kindleで買ってみた。

出張の新幹線、および渋谷の眼鏡店での待ち時間中に読む。

うん、なるほど。
錯覚資産。
資産運用は福利で指数関数的に資産は増加するもの。
ゆえに、最初の資産が増える部分は意外に時間がかかる。
フェアに資産をちょっとずつ増やすより、もし初期の段階で、大幅な借り入れできるなら、有利な位置からスタートできる。

なるほど、なるほど。


少し本の内容から離れるが、
私が自分の出自に対して、なんとなく後ろめたい気持ちがあったことに、少しだけ理由付けができた。
要するに、二世みたいな人種は錯覚資産を付与されているからなんだ。

逆に「二世」みたいな人が意外に活躍する原因って結局そういうことなんだろう。
際立って無能力な人を除けば、資産に下駄をはかされた状態でスタートするだけで普通に運用しているだけでも、本人の評価は増える。

私も二世として生まれ、若くして病院長*1をする羽目になったわけだが、
委託された資産(錯覚資産)を普通に運用しているだけで、その立場にない人に比べて随分いろんな経験をさせてもらい、おかげで成長したと思う。
「立場が人を育てる」というのを、定量的に解析すると「錯覚資産」という概念と非常にマッチする。

では圧倒的に有利なのは二世・三世に限られるのか?というと、そういうわけでもない。
この本ではそういった「錯覚資産」という言葉で、裸の自分に下駄を履かせられる現象をラベリングし、普遍化している。
二世・三世はその一側面に過ぎない。この本で書いてあること(残酷なようだが世の中のルールだ)をよく理解すれば、自分のもっている価値=資産以上の錯覚資産を得ることができ、結果的にそれを累乗的に増加させることができるのではないかと思う。


「なんで俺はこんなところでくすぶっているんだ」という人にはおすすめ。いやおすすめできないか、手遅れだもの。
意識高い人たちにはオススメ。ますますそうでない人たちの反感は買うことでしょうが。

*1:今は理事長