そんな小西康陽のソロユニット、ピチカートワン、First Albumの『11のとても悲しい歌』については、以前にとりあげました(http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20110725)
これはこれでなかなか印象的なアルバムだったんですけれども、気が付くと二作目が発売されていたので買ってみたわけです。
うー。『11のとても悲しい歌』よりもさらにものがなしいぞ。
ミニマルなサウンドと、もの悲しい歌詞と。
今ってこういう感じなのねー、前作の雰囲気と似ているよねーとか思いながら聴いていたら、
ん?まてよ?と。歌詞に聴き覚えがある。
これって、あのPizzicato Fiveの時の楽曲なんだ…
あんな、きらびやかなサウンドが、こんな風になるんだ…。
埃まみれの朽ち果てた廃墟を歩いていたら、実は子供の頃のきらきらした思い出のボールルームであることに気付いたように、慄然とする。
Pizzicato Fiveでは、明るくリュクスなサウンドと、その中に刹那的な歌詞、というギャップがよかったのかもしれないが、Pizzicato Oneでは、ただただ歌詞もサウンドも枯れている。
没落英国貴族、という言葉があるが、21世紀の没落日本貴族が、経済が強く、未来が明るかった20世紀を懐古しているアルバムだ。
Pizzicato Fiveの楽曲、味付けの少ない骨組みだけの状態でも、やっぱり結構いい曲が多いよな、と思った。