- 作者: 須川邦彦
- 発売日: 2012/09/13
- メディア: Kindle版
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Kindleを触るようになってから、青空文庫のパブリックドメインを見ることも増えた。蟹工船とか、そういう歴史的な作品だけど、別に改めて購入するのはねー、みたいなものは。
でも、昔に書かれて、今も残っているものは、やっぱりいい。
常にとは言わない。いいものもある、という程度。
で、これは明治31年に、ミッドウェー〜ハワイの辺りを航海していた16人様ご一行が、暗礁に乗り上げ、近くの無人島(海抜4mくらいで真水も出ない…!)でとりあえず暮らす。ないないづくしの中で、しかしあくまでポジティブに日本男児としての誇りを失わずに愉快に生き抜く様は、ノンフィクションだけに素晴らしい。
和製『十五少年漂流記』みたいなもんですな。まあ、少年でもないですけれども。
書かれなかったネガティブなこともきっとあるのだろうけれども、でも、素晴らしいと思う。
それにしてもウミガメ(正覚坊と行っている。アオウミガメの別名らしいが、こういう言葉遣いも明治って感じ。漁船本船に対する手漕ぎボートのことを伝馬船と言ったり)。