半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

岡田斗司夫、内田樹『評価と贈与の経済学』

評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)

評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)

岡田斗司夫内田樹、いずれもふたりともよく読む作者ではある。
その二人の対談本。

まあ、一言で言うと、「世を生きていくために解決すべき手段が、お金。その一点張りだと考える世界に生きているけど、実は『感じのいい人』になって、他の人から助けてもらう、もしくは助けるという相互扶助の精神を使えばもっとハッピーに生きられるんじゃない?」ということ。

 岡田斗司夫は、新しいやりかた、内田樹は、比較的伝統的なやり方で、それを模索しているように思われる。昔から、金によらない生き方というのはあった。地縁・血縁の失われた現在が、むしろ特殊なだけだ。

 お金というのは、属人的ではないし、中立なもので、その無味無臭性が、お金の全能性を際立たせるわけだけれども、無味無臭のためにクレンジングするコストは、意外にばかにならないんじゃないかってこと。
特にアメリカより日本では。

 今の都市生活者にとっては内田氏のいう昔の感じにはもどれないが、内田氏のWay of Lifeは、過去何千年も有効であった実績がある。岡田氏の提唱するやりかたは、魅力があるが、実際それでうまく回るのかという疑問符はある。Pitfallがあるのではないか。