- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 文庫
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和田秀樹さんとか。
米山光啓さんとか。
一冊一冊のクオリティを大事にして、デビュー当初おずおずと書いていた人達が、だんだん粗製濫造になっていく様はみたくない。ちょっと前なら原田宗典も、そんな感じだった。
この本は『源氏物語はなぜ書かれたのか』という題ですが、その実、源氏物語に関する「なぜ」は解き明かされることなく、源氏物語の話は 1/3で終わり。あとは平家物語の話だったり。
本としては、正直まとまりが無い。井沢元彦の考え方、みたいなものに触れるのであればいいかもしれないけれど。
「逆説の日本史」で書かれていたエッセンスをまとめて、リミックスして出した、という雰囲気がありありとしている。
そりゃ、文章はわかりやすいし、読んだら「ふんふん」と思うけど。
要するにこれって、「逆説の日本史」を出すだけでは食えないっつーか、それを書くために蓄えたことを、他の形でも吐き出して、印税を稼がないといけない本邦の出版事情がそうさせているんだと思う。
18世紀とかの寡作な小説家の時代がうらやましい。