- 作者: 和辻哲郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1980/02
- メディア: 文庫
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今回久しぶりに読み直した。
文学に対する論評などは、『日本精神史研究』と多少重なっているところもあり。
冒頭は、友人に誘われて、払暁巨椋池の蓮の開花を見に行く話。
巨椋池で、音もなくというか、わずかな音をたてて蓮の花が咲くさまは、非常に興味深い。そもそも、巨椋池が現存している時期の、大正期の作家であるという事実に、はっとする。
あとは、いつもの和辻節なのだが、最期らへんに、町医者だった父の話がでていて、この父親が非常なる町医者魂を持っていたことが書かれていて、興味深かった。