- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/06/28
- メディア: 文庫
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以下、よくある紹介の引用ですが、
交通事故に遭った真希は、事故に遭った瞬間、前日の同じ時刻に引き戻されてしまう。日常とまったく変わらない風景にみえるが、その世界には真希以外の人間は誰ひとり存在しなかった。同じ1日を繰り返すうち、1本の電話がかかってくるが…。
はい、引用ここまで。
確か、雑誌か何かで、芸能人か誰かが好きな本、かなんかのコーナーで紹介されていたように思う、それで、本屋で買ったという経緯があるんですよ。
この手の「導入のしかけ」が割と斬新な本って、あんまり紹介されすぎたら、魅力半減かなあと思ったりしました。導入の時点で、半分ネタバレみたいなものですものね。
『ありがとう浜村淳です』で、映画のオチまで言われてしまった映画、どう面白く見たらええねん、みたいな。
最近のでいいますと、「猿の惑星」の再販版のジャケとかがそうです。レビューもみんなツッコミまくりで失笑。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B003ZX8G0K
そんな感じで、素直に楽しめなくて、読んだけど、あまり心に染み入らず、放置していたのですよ。
で、数年たって読み返してみました。
う-ん、残念。やっぱり同じ感想で。
書評とかの前フリなしで「これ面白いからよんでみ」と言われて読んだら、もっと楽しめたのかなあ、と思う。
あと、これは長所か短所かというのは難しいのですが、えらく読みやすい。
水のように癖のない文体。話の運びや、登場人物の名前とかに暗示されている象徴が、少し綺麗過ぎるような気はしますが。
だから何度も読み返したくなるようなわけわからなさがないんですよね。
でも、とりあえず主人公の真希は、割とめんどくさい性格だなあと思いました。
以前はその感想はあまり抱かなかったのですが、僕の人間評価もずいぶんラフになったもんです。悪い意味で。