半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』ランス・アームストロング

 自転車に乗る前から、名前は知っていたが、自転車に乗り始めてから、こげなすげえ経歴やったんやとびっくらこいた、ランス・アームストロング氏の自伝。
 原題は It's Not About the Bikeという、どちらかというと普通な感じで、この邦題は、詩情があって非常にいいと思いました。

 上り調子のヤングチャンピオンが、突然睾丸がんにみまわれるという、まるでドラマのような話。しかも、生還し、しかもツール・ド・フランスで優勝するなんて!
 本では、そこまでだが、その後7連覇しているというもんんのすごいことになっているわけですよ。

 だから、浮世離れした話なのかなーと思っていたんですが、極めてアメリカ人らしい普通っぽい自分語りにちょっと安心。昔はものすごい遊んでて、チームないでフェデックスって呼ばれてたんだぜ→どんな女の子も翌日には枕元にお届けだから、HAHAHAHA! みたいなエピソードとか。

 それにしても化学療法の時のしんどさとか、患者さんサイドの視点は結構ためになります。効いてようが効いていまいが、だんだんばててきて、吐き気・倦怠感などがでてくるというのは、そうなんだろうな。

 残念ながら怪我して自転車はもう乗らないことにしたので、このおもしろい自転車業界の話も、再読しても半値以下になってしまうのが、残念なところですけれども。