半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

東京からの出張の帰りに購入。
装丁は、白一色であるが、下2/3を覆う大きな帯があり、そこは黒字に地図が描かれているので、本屋での見た目は全然印象が違います。

古今東西の国家戦略の基本は地政学にある以上、未来予測も地政学で考えるしかないのは間違いない。
地政学的な考え方の入門と、その考察を今後100年まで延長した場合に、どのような展望があるのか、というのを述べた本です。
すんごい面白い。


 この本では2050年代前後には東アジア地域の覇権国家として日本が隆盛すると書かれている。おそらくこうかかれていると溜飲を下げる馬鹿も多いわけだが、これは日本の現在の人口構造問題を解決するためには、東アジア、特に中国沿岸部にプレゼンスを発揮する以外に選択肢がない、という意味である。逆にいうと、覇権国家として他国への影響力を強めなければ、没落するしかないのだ。この構図は実は明治維新以来大きくは変わっていないわけだが、なかなかタフな現実ではある。でも、今の日本の政府は、そういうことができるだろうか?
 実は、この本に書かれた未来予測には「すぐれたチェスの差し手は、明らかな悪手を選択しない。したがって、むしろその動向は予想しやすい。同様に国家指導者は、その国内で選びぬかれた政治指導者がなるのだから、当然その政治手法の選択肢は限られるはずだ」という前提があるわけだが、今の日本で、果たしてそれがいえるかどうか?

 本書にかかれていることがピタリ・ピタリと当たるかどうかはともかく、トルコとメキシコの隆盛はかなり現実味があるように思える。ポーランドというのも面白いが、これはロシアの動向にかなり左右されるだろう。


ところで、ねえ、アフリカは?アフリカの話は?
というのはともかくとして(笑)、
100年間の未来予測を述べてきて、アフリカについての言及がほとんどなかった。
しかしあの大陸の今後の動向はどうなるのだろうか?