- アーティスト: マイク・デル・フェーロ
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2003/12/17
- メディア: CD
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ジャケで何となく買ったけれども、これは面白い。
まず、弾き倒さない。
決して、刻まない。
うざくない。
いわゆるジャズのピアノって、やっぱりカッティングエッジコンテストみたいなところがあって、どうしてもアドリブ自慢、弾ける自慢みたいな感じになるわけですが、この人はそういうのとは無縁。
なるほど、こういうアプローチでいいんだ。
右手がメロディーラインで、左手はリズミカルにコンピングという、いわゆるジャズの定法からも自由。
けっこう左と右が共時的に動く。
そしてボイシングはごっつう繊細。
僕はピアノをそんなに弾けないし、そんなに微妙なハーモニーをききわける嗅覚がないので、どこまでわかっているのか、といわれると正直紅顔ですが、いや、これいいですよ。なんつーか、ジャズっつったらこんな感じだろ?というベタ感がない。
例えば、コンペティション・フィギュアスケートを見慣れた人がアイスダンスを初めて見た時のような新鮮さがある。
派手さはないけど、練りぬかれた一品です。
曲も知っている曲ばっかりで、その点では心安いですな。
「ピアノジャズ」でいいのない?といわれた時に、まあ、普通は入門編としてはビルエバンスの「ワルツフォーデビー」とか、オスピーの「プリーズ・リクエスト」とかあげますやんか。でも、そういうのじゃなくて、中級編の人にこれ聴かせたら「おっ」となるかもしれない。