半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

スガシカオ "Funkaholic"

FUNKAHOLiC(初回生産限定盤)(DVD付)

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Amazonで注文。初回限定盤にはシングルPVのDVD付。
ま、いらないっちゃあいらないんだけどいるっちゃあいるんです、PV。
去年の夏のシングル"Parade"くらいから、スガシカオはちょいとポップな路線を志向してか、マスダンスとかついてたわけですが、今回シングル「コノ指トマレ」でも、同じようなマスダンス。

 ソフトバンクのキャメロンディアスよろしく、スガシカオを頂点とした三角形の陣形で、ちょっとキモ目のマスダンスなわけです。

 僕はこういうマスダンスがことのほか好きで。
 マスダンスを振付師が振付けるところを想像するとなんともいえない。

 「あ、はいー、1と2と3と4と、踏み込んで、それ、踏み込んで!
 一周回って ゴメンナサイ!、頭の上に〜 知りません!
 左手ひねりー、右手でとって、ひげダンス!」

 みたいな、練習シーンを想像してしまうわけです。
 ま、僕の知っている振付師というのはラッキィ池田だけなんすけど。

 音楽の場合、クリエイターの意図を指示する手段としては「楽譜」があるわけですよね。厳密にいうと、楽譜には音韻情報は含まれてはいないので、楽譜だけですべてコミュニケーションをとることは難しいわけですが、それでも、共通のバックグラウンドを持っているミュージシャン同士なら、紙の上の指示書一枚でかなりのレベルまで、情報を共有することができます。

 一方、ダンスには、現時点ではそういった振り付けを普遍的に表現する楽譜のようなものは存在しません。古くをたどれば、例えばヨーロッパの宮廷ダンスにはステップの楽譜、のようなものがあったようだし、今でもダンスの振り付けは、例えば「ランニングマン」とか「ロジャーラビット」とかさ、そういう特定の振り付けに名称を与えることにより記号化することで情報を圧縮するわけですが、やはり完全に一次元の情報に落とし込むすべは、どうやら今のところない。
 したがって、振り付け師は、不完全と知りつつ、ダンスの分節に、直感的な言語ラベルを貼り付けて指導するわけです。マスダンスとかだったら、わかりやすくないといけないからね。

 ま、ダンス業界のこと全然知らないから、憶測で書いてるんですけれども。
 それにしても、午後のパレードといい、コノユビトマレといい、この振り付けは独特だ。
 いわゆるHipHopの枠にも収まらないし、パラパラとも違うけど、四肢の使い方に、なんだか、非常に日本的な香りがします。

 
 ちなみにサウンドのことを。
 このアルバムはスガシカオが初めてアルバム名にFunkというのを織り込んだということで、本気の入ったファンクが期待されるわけなんですけれども、
 うーん、一曲目。
 うわー、これ、まるっきり Tower Of Power…… 
 というか、What Is Hip? まるだしじゃないか はずかしいー
 ちょっと固めのホーンの音色とかそういう作り込みも、きわめてタワパらしいですよね。
  歌詞も、
 ♪歯磨き粉って 君って どんな味?
 うーん、なんか、ダンスマンがタワパの曲に日本語歌詞を無理矢理当てたみたいな曲だー。

 ちなみにけなしているわけではなくて、私はこういうサウンドが好きか嫌いかといいますと、大好きなので、そこんとこ間違えないように。ファンの人はDisらないように。


ちなみに、午後のパレードのPV:

Tower Of Powerの"What's Hip?"