別に暇じゃないんだけどさぁ、漫画喫茶に行ったりするんですよ。そこで明け方になりなむ時間帯に読みました。
バンパイア―昭和不老不死伝説 (1) (ジャンプ・コミックスデラックス)
- 作者: 徳弘正也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/06/03
- メディア: コミック
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バンパイア 1―近未来不老不死伝説 (ジャンプコミックスデラックス)
- 作者: 徳弘正也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/05/02
- メディア: コミック
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僕の年代では、徳弘正也というと「シェイプアップ乱」のうんこしっこちんこまんこ満載のシモネタギャグ漫画の人です。有名になったのは「ジャングルの王者ターちゃん」で、あれは途中からシモネタよりもいかにもジャンプらしい友情格闘漫画になり、なんか不自由な感じを受けつつ連載終了したような記憶があった。
その後、徳弘はメジャーシーンには現れていない。
……と、いいたいところだが、スーパージャンプとかそういう今ひとつアレな媒体に移ってからの作品が、実はすごいのです。
「狂四郎2030」「昭和不老不死伝説 バンパイア」という二作なんですが、これがすんごいんです。
シリアスでダークなストーリーなのにエロ満載という独特の路線をつっぱしっていのですが、えらく完成度が高い。
別に原作つきというわけでもないんだな。すげーなー。男子三日会わざれば刮目すべしだなー。
ま、この漫画に限らず、エロ、には後ろめたさを伴うもので。
例えばエロ本・エロビデオを買う・借りる場合に、100%エロ材料を購入するのは恥ずかしい。故に当たり障りのない本/ビデオでエロを挟み込んだりするわけです。これはエロを誤魔化す緩衝材なわけです。
人はそれほど強靱にエロと向き合うことは難しい。
これは消費者サイドの行動ですが、生産者サイドにも同様の心理機構が働くのか、エロ漫画には妙に小難しい設定が多いものです。
しかし、そうした設定には必然性はなく、緩衝材としての意味しか持ち得ていないわけで、結局の所、締切に追われたやっつけ仕事に過ぎず、多くの場合小難しそうな世界観はストーリーに反映されず空中分解するものです。ちょうど、エロビデオの非エロ部分の演技がグダグダであるのと同じように。そこをきちんとすることは、それほど消費者に求められていないわけです。
この漫画はそういった一般的なエロ漫画にありがちな難解な世界観を敷いており、おそらく、連載でみていたら、そういった凡百のエロ漫画と区別がつかないでしょう。しかし、きちんとその世界観は点が線となり、つながって、最終的にはきちんとストーリーを回収できています。
いや、この漫画、例えば二〇世紀少年なんかよりずっと面白いと思うよ。あの漫画、ストーリー回収できてないじゃん。
かなり読みはじめるには抵抗がある漫画ですが(例えば職場の女性の同僚には絶対にすすめられない)、だからこそすすめてみました。買うのはどうかと思うので、漫画喫茶に行く折にはおすすめします。