半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

Don Friedman"Circle Waltz"Circle Waltzアーティスト: Don Friedman出版社/メーカー: Jvc / Xrcd発売日: 2000/06/27メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る

 最近、仕事中に音楽をかけています。

 僕は消化器科の医者なので胃カメラをしたり、大腸のカメラをしたり、エコーをしたりするわけなんですが、病院内のそういう部門がリニューアルしたわけです。いわゆる「消化器センター」という名目で。で消化器センター内ではマイクで患者呼び出しが出来たりするコンソールが設置されたわけですが、それでCDを流せるわけですな。

 ちなみに私のボスは設計時にボーズのシステムを入れるように進言したらしいのですが、却下され(当たり前だ)、国産のものが入っています。ですが、音はそんなに悪くないです。難を言えば天井埋め込みのスピーカーなので低音が少し弱いですが、そういう用途なので低音がガンガン鳴ってもらっても困るんです。

 最初は看護婦さんが持ってきた「オルゴールで効く懐かしのメロディー」とか「クラシックベスト100」みたいなやつを掛けていたわけなんですが、ま、そういうのはどうも、気持ちよくないわけですよ、音楽好きとしてはね。それで、自分でCDを持ってくることにしました。

 とはいえ、お客さんの多くはじいちゃんばあちゃんなので、激しいロックなどかけて、苦情がくるとまずいわけです。基本的には「落ち着ける音楽」というのが第一条件なので、とりあえず、ジャズの中でも割と静かめのピアノトリオをいくつか見繕って持ってきました。

 ピアノトリオといっても色々あるものです。こういう状況にはあまり適していないかなと思ったのはミシェル・ペトルチアーニ。ガツーンと盛り上がるやつはそこでビクっとしてしまうのでどうもいけない。

 今のところ一番しっくり来たのが一ヶ月程前に買ったこのCDです。
 適度に抽象的で、意識から外そうと思ったらすっと邪魔にならないし、聞き込めば聞き込んだで、面白い。まるでタペストリーにつづられた複雑な文様を見ているようで、聴いていて不思議に飽きがきません。
 ジャケもいいですね。
 というわけで、先週くらいまで、このCDが職場でヘビロテしていました。

 お恥ずかしながら、ジャズを20年も続けているわりに、ドン・フリードマンという人のことはほとんど知りませんでした。自分はトロンボーン吹きなので、どうしても金管楽器の入ったものを買ってしまいがちなんですけれども、最近聴くCDの幅を広げようとしていますと、リズムセクションにこそどうやら深遠な世界があるらしいことに、最近ようやく気づきました。これも一つの成長なのかしらん。