- 作者: レイモンドチャンドラー,清水俊二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1988/09/01
- メディア: 文庫
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実はレイモンド・チャンドラーとか、いわゆるハードボイルド小説を読み始めたのって、社会人になってからなんですよね僕。このサイト"Half-boiled Doctor"を書き始めた方が前なくらい。
『長い別れ』、『さらば愛しき女よ』『プレイバック』と今まで読んで、順番バラバラですが、これが僕が読む4つ目のマーロウものということになります。
こういう有名なシリーズものでは、次巻があるという時点で、結局主人公は死なず、最後には定常状態に落ち着くであろうということがわかってしまうわけです。ということは読んでいて意図的に視野を狭めないかぎりハラハラドキドキはしない。「どうせうまく解決する」なんて思ってしまったら。
そういう意味ではスティーブン・セガール作品と同じっちゃあ同じなんですよね。
これが、いわゆる無名の推理小説とは違う、有名作品ならではの弱点でしょうか。
最初の訪問先の玄関に置いてある、黒人奴隷の置物とのからみは、なんとなくよかったです。どうも映画のノベライズっぽい感じではありましたが。
あと気になったのが、物語のキーパーソンである女性を描写する時は念入りなので、その後の物語の筋が見えてしまうという弊があるなあと思いました。これも一種の(負の)叙述トリックですよね。
ちなみに村上春樹が『ロング・グッドバイ』を訳しましたが、あれはまだ読んでいません。とりあえず21世紀にもかかわらず20世紀的な装丁だなあと思いましたが、あれは昔の創元っぽさを敢えて出したのかなあと思う。しかし今まであるシリーズの『長い別れ』の方が、邦題としてはいいとも思うのだが。
- 作者: レイモンド・チャンドラー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/03/08
- メディア: 単行本
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