半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

Wycliffe Gordon "The Gospel Truth"

THE GOSPEL TRUTH

THE GOSPEL TRUTH

  • アーティスト: WYCLIFFE GORDON SEXTET,Wycliffe Gordon,Marcus Printup,Victor Goines,Eric Reed,Reuben Rogers,Winard Harper,Carrie Smith,Kurt Stockdale,Jennifer Krupa,Dion Tucker
  • 出版社/メーカー: CRISS CROSS
  • 発売日: 2008/12/03
  • メディア: CD
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 ウィクリフ・ゴードンは、サウンド的には、ウィントンマルサリス一派の、新古典主義の人です。
 ウィントン・マルサリス兄弟には、デルフィーヨ・マルサリスというトロンボーンの人もいるんですが、音を聴く限り、どちらかというとウィクリフ・ゴードンの方がウィントン・マルサリスの弟なんじゃないかという風に思えてしまうくらい、トロンボーン版ウィントンとでも言える存在。

 クリス・クロスでこういうサウンドはかなり珍しいように思うんですが、これホント、どゴスペルです。まあ、新古典主義的な文脈なら、いかにもやりそうなことですし、実際にこういうのはむちゃくちゃはまっている。

 楽器はかなり(超絶に)うまいんだけれども、いわゆるバップ的な方向にはあまりいかず、トロンボーントロンボーンらしく使う人です。例えばJJとかは、本来グレネードランチャーであるトロンボーンサブマシンガン的な用途で使いこなせる点で超絶的なテクニックなのですが、この人はあくまでグレネードランチャーとして十全に使いこなす、といったような。

 トロンボーンという楽器の原点として考えると、こういうサウンドをもっと尊重しなければいけないんだけれども、自分が永らくモダンジャズの中のトロンボーンに染まりすぎたせいで、素直に受け入れられないんですよねー。