- 作者: 久坂部羊
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 文庫
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これも、自分の独自の治療を始めた医師の話です。
片麻痺になった老人の麻痺側の四肢は、むしろ運動の邪魔になっているのではないかと思った外科医師漆原が、患側肢を切断する「Aケア(AはアンプタのAです)」をするという話。
前半部はその医師が語る「夢のAケア」という「ゆほびか」的記事。フィクションですが、この漆原医師の語り口には異常に説得力があります。そして後半部は、その「Aケア」に対する事件記という構成になっています。
この小説に出てくるマスコミの行動は、今回の宇和島腎移植における行動と、ひどく似ています。
いろいろな方面から見た漆原医師の人物像は、虚構とも思えぬリアリティがあります。
個人的には読んでてかなりのけぞりました。はてなのカウント数をみても、あまり人気がないようですが、文庫ですし、医療関係者は勿論、そうでない方にもおすすめであります。