- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/03/12
- メディア: DVD
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あー、なんか変な時間に起こされて目冴えちゃったよ。
一月ほど前からTSUTAYAでちょっとずつ借りてみていた、宮藤官九郎脚本のドラマ。実はリアルタイムでは、最終話とその一つ前だけみていたのですが、その後忘却の彼方に追いやられていた。レンタルコーナーで再会し、それでは借りてみようかいと。
初めて木更津キャッツアイをみた時の衝撃はなかったが、これはこちらがクドカン的な文脈に慣れたせいだろう。相変わらずのテイストで、むしろ今では安心して観れる。キャストも、正直いってかなりかぶっているし。
例えばキャッツでは「表」と「裏」を設けていた様に、このドラマにもこのドラマなりのフレームが存在する。ちょうど水戸黄門で8時45分には印籠がでるように、プロットの中に「お約束」を設定するのが、この人は非常に巧みだ。そして、なおかつ話が進むにつれて、そのお約束を意図的にはみ出して視聴者を「すかす」。(たとえば、ダウンタウンのコント『ゴレンジャイ』などが、こうした枠組みとそこからの逸脱の典型であるが)ま、お笑いの基本構造ではあるのだが、こういうテンポ感が非常に上手い。
そして、この人の構成技法は、バップ的だ。
難点を言えば、「独白をアフレコで入れる」技法があまりにも多すぎる。正直、最初の刺激は薄れ、飽きつつある。脚本家の意図をより役者に伝えやすいというメリットはあるけれど、役者の領分に踏み込みすぎ、また演技の余韻をなくすという欠点がある。松岡君が大根にみえるのもそのせいだろう。そうに違いない。
それにしても、キャッツアイもそうだったが、キャストの持ち味というか、それぞれにオイシイ見せ場があり、とてもよい。本人を踏まえて書かれた脚本なので、自然なんですよね。小泉今日子の毒ヒロイン、ミッチーことベッシーの王子キャラが、本人のキャラクターを踏まえてドラマの文脈的にうまくはめられていて、とてもよかった。役者に対するこうした愛情が、このドラマ世界の空気を共有したい気分にさせられるのだろうか。
あ、でもイボリーこと尾美としのりも、とてもいい演技だったけど、あれは阿部サダヲの当て書きなのかなあと思ったりもしました。
DVD-boxは、劇中ドラマやCMの特典映像付きだそうな……
買おうかなあ……