半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

歴史・地理・社会

『アリエナイ医学事典』

オススメ度 100点 エビデンスのない世界で正しいことするとチート扱いされるんだなあ度 100点アリエナイ医学事典作者:亜留間次郎発売日: 2020/06/01メディア: Kindle版以前に「悪魔が教える願いが叶う毒と薬」という本でみかけた薬理凶室氏監修の、いわゆる…

『感染症と文明』

オススメ度 80点 教科書度 100点感染症と文明――共生への道 (岩波新書)作者:山本 太郎発売日: 2011/06/22メディア: 新書前回は、今をときめく現役の峰先生が記者と対談したものを文字起こしにしたものだった。 現在の感染症学とワクチンの最前線の話で、非常…

『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』峰宗太郎・山中浩之

オススメ度100点 冷静度 100点新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実 (日経プレミアシリーズ)作者:峰宗太郎,山中浩之発売日: 2020/12/09メディア: Kindle版ばぶ先生こと峰宗太郎先生の本。 Twitterで噂になっていたので読んでみた。うーん、なるほど…

『結婚不要社会』

オススメ度 90点 じゃあどうなる…がいいビジョンない度 120点結婚不要社会 (朝日新書)作者:山田 昌弘発売日: 2019/05/14メディア: 新書山田昌弘は社会学者。それこそ、このブログとか書いている時代と活動は重なるので、折に触れその言説は目にしていた。 キ…

『鬼滅の刃』最終巻に来て少年漫画であることを思い出させてくれた。

オススメ度99点 アツい度 1000点鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:吾峠呼世晴発売日: 2020/12/04メディア: Kindle版『鬼滅の刃』堂々の完結である。 (ネタバレ的なことは書いてはいませんが、一切の事前情報を廃して読みたい人は読まないでくだ…

『皇帝たちの中国史』

オススメ度 80点 中立の視点で軽くDisる度 100点皇帝たちの中国史作者:宮脇淳子発売日: 2019/12/13メディア: Kindle版中国史の研究者による、中国の歴史の概括。中華文明の成り立ちや中国人の縁故社会の成因などについて、研究者の視点で、口語でわかりやす…

『望遠ニッポン見聞録』ヤマザキマリ

オススメ度 90点 うんうん度 100点望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)作者:ヤマザキマリ発売日: 2015/09/04メディア: Kindle版『テルマエ・ロマエ』で有名になったヤマザキマリ。 学校卒業してからすぐヨーロッパに渡り、画家になり、そこからエッセイ+漫画家…

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭

おすすめ度 90点 寂寞度 100点表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫)作者:若林 正恭発売日: 2020/10/07メディア: Kindle版 「やりがいのある仕事をして、手に入れたお金で人生を楽しみましょう!」 仕事もお金もない時期に、家賃3万のアパー…

『野蛮の言説 差別と排除の精神史』

オススメ度 90点野蛮の言説 差別と排除の精神史 春陽堂ライブラリー作者:中村隆之発売日: 2020/03/27メディア: Kindle版20世紀までの世界は、野蛮の反意語である「文明」による進歩を理念として構築されてきた。 ところが21世紀以降、文明は失墜し、野蛮と呼…

『はじめて読む人のローマ史1200年』

オススメ度 70点 教科書度 70点はじめて読む人のローマ史1200年(祥伝社新書)作者:本村 凌二発売日: 2014/06/02メディア: 新書入門としては適切だが、その分熱量に欠ける印象はある。 まあ、がっつりローマのことを知りたければ、ギボン『ローマ帝国衰亡史』…

『テセウスの船』

オススメ度 100点 ドラマ見そびれた度 100点テセウスの船(1) (モーニングコミックス)作者:東元俊哉発売日: 2017/09/22メディア: Kindle版一人でのロングドライブの時には主にYoutubeに残っている『ハライチのターン』を聴きながら移動している。 ちょっと…

『東京百景』又吉直樹

オススメ度 80点 ジャケ買い度 80点東京百景 (角川文庫)作者:又吉 直樹発売日: 2020/06/12メディア: Kindle版 過去を引きずる男はみっともないらしい。僕は引きずるどころかずべ手の思い出を引っ提げて生きている。 今では芥川賞作家の又吉直樹。これは、文…

『収容所のプルースト』

オススメ度 50点 なんで?感 100点収容所のプルースト (境界の文学)作者:チャプスキ,ジョゼフ発売日: 2018/01/27メディア: 単行本何に使われるかよくわからないけれど機能美に溢れた機械の部品を見ているかのようだった。* * *第二次世界大戦の嚆矢となっ…

『漫画人類学講義 ボルネオの森の民にはなぜ感謝も反省も所有もないのか』

オススメ度 90点 「文化がちがーう!」度 100点マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか作者:奥野 克巳,MOSA発売日: 2020/10/15メディア: 単行本(ソフトカバー)ちょっと前にWebで話題になっていたので買ってみた。 ボルネ…

『戦中派不戦日記』山田風太郎

オススメ度 100点 価値観の転倒…度 100点新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)作者:山田風太郎発売日: 2016/05/13メディア: Kindle版 シニカルな文筆家、山田風太郎。忍法帖シリーズや、魔界転生などの奇想小説でも有名だし、『人間臨終図巻』なども有名であ…

『古墳の古代史』

オススメ度 60点 専門向き度 80点古墳の古代史 ──東アジアのなかの日本 (ちくま新書)作者:森下章司発売日: 2016/09/23メディア: Kindle版なかなかいい本だとは思ったが、ターゲットの設定が、僕の思っていたのと違ったみたいだ。特に邪馬台国〜古墳時代の日…

『華僑の奥義ー一生お金に困らない儲けと成功の法則』

オススメ度 90点 ほほー度 100点華僑の奥義 一生お金に困らない儲けと成功の法則作者:大城太発売日: 2019/06/21メディア: Kindle版華僑の行動様式は我々日本人とは異なるし、西洋社会の常識とも異なる。 華僑=中国本土を離れて外国でビジネスをしている人間…

『モテる構造』山田昌弘

オススメ度 90点 思てたんと違う度 100点モテる構造 ──男と女の社会学 (ちくま新書)作者:山田昌弘発売日: 2016/11/25メディア: Kindle版『モテる構造』という本だから、現世利益型のHow To。あけすけに言ってしまえば「モテ方指南」みたいな本だと思っていた…

『The Red Altas:恐るべきソ連の世界地図』

オススメ度 50点レッド・アトラス 恐るべきソ連の世界地図作者:ジョン・デイビス,アレクサンダー・J・ケント発売日: 2019/03/21メディア: 単行本(ソフトカバー)前回に引き続いてソ連シリーズ第二弾。Kindleで購入したが、リアル書籍の方が面白かったのかも…

『共食いの島』

オススメ度 60点 胸糞度 200点共食いの島作者:ニコラ・ヴェルト発売日: 2019/02/09メディア: 単行本もしタイムスリップしたとして、絶対に行きたくない時代・地域というのはいくつかあると思うけど、 例えば、悪名高いスペインの宗教裁判、異端狩り・魔女裁…

『反穀物の人類史』

オススメ度 100点 主客転倒度 100点反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー作者:ジェームズ・C・スコット発売日: 2019/12/21メディア: 単行本ちょっと前にWeb書評などでも話題になっており、半年前くらいから読んでいる。 実はだいぶ前に読了したのだ…

『国境のエミーリャ』『翼よ!どれがパリの灯だ?』池田邦彦

国境のエミーリャ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:池田邦彦発売日: 2020/02/12メディア: Kindle版国境のエミーリャ(2) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:池田邦彦発売日: 2020/07/10メディア: Kindle版『カレチ』で名を馳せた池田邦彦…

『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』

オススメ度 90点 子供向けなのね…度 100点失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!作者:大野正人発売日: 2018/04/27メディア: Kindle版「失敗学」という学問がある。 『失敗学のすすめ』 (2005年4月、講談社) の著者・畑村洋太郎が提唱し、立花隆が命名したらしい…

『新型コロナと貧困女子』

オススメ度 80点新型コロナと貧困女子 (宝島社新書)発売日: 2020/06/25メディア: Kindle版ルポ『中年童貞』から中村淳彦の作品には興味があり、出るもの出るものチェックはしている。halfboileddoc.hatenablog.com貧困女子のありようは現在の世相の裏返し。 …

『一人称単数』村上春樹

一人称単数 (文春e-book)作者:村上 春樹発売日: 2020/07/18メディア: Kindle版 でも今更こんなことを言うのはつらいのだが、結局のところ、彼女は僕の耳の奥にある特別な鈴を鳴らしてはくれなかった。 「ジャングル通信」でおなじみの村上春樹の新作は、ある…

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

オススメ度 100点 他人事だと思っていたら自分事だった度 150点沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)作者:樋口 耕太郎発売日: 2020/06/16メディア: Kindle版観光立国として経済発展している沖縄。 米軍基地がある見返りといっていいのか、数々…

『アンダー・プロトコル 政財暴一体で600億稼いだ男の錬金哲学』

オススメ度 70点 ワクワク度 100点アンダー・プロトコル 政財暴一体で600億円稼いだ男の錬金哲学作者:猫組長発売日: 2018/03/02メディア: Kindle版西原理恵子の漫画でも度々とりあげられていた「猫組長」の半生を振り返った本。生い立ちから、若い頃の金儲け…

『はじめての暗渠散歩』

オススメ度 70点 昔の疑問が解けた度 100点はじめての暗渠散歩 ──水のない水辺をあるく (ちくま文庫)作者:本田創,高山英男,吉村生,三土たつお発売日: 2018/04/27メディア: Kindle版もともと川だったところを地下に埋めて暗渠化する。 これは都市化のプロセス…

『指揮官』児島襄

指揮官 (文春文庫)作者:児島 襄発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版旧日本軍の軍事史を全くしらない人はいないと思うが、昭和軍部の拙劣なマネジメントは、たまたまあの組織が劣っていたのか、それとも日本人が必然的にもつ宿痾なのか、考えると怖い永遠の…

『遅いインターネット』宇野常寛

遅いインターネット(NewsPicks Book)作者:宇野 常寛発売日: 2020/02/20メディア: 単行本宇野常寛の本は、みるたびにはっとさせられる。 halfboileddoc.hatenablog.com きっかけはこの「ゼロ年代の想像力」だったと思う。 いわゆる「ヲタクがたり」の範疇を越…