半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

panpanya『グヤバノ・ホリデー』『二匹目の金魚』『枕魚』『蟹に誘われて』

オススメ度 100点
脇役ののんきそうな顔がまたよし度 100点

グヤバノ・ホリデー

グヤバノ・ホリデー

  • 作者:panpanya
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2019/01/31
  • メディア: コミック
二匹目の金魚

二匹目の金魚

  • 作者:panpanya
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: コミック
蟹に誘われて

蟹に誘われて

  • 作者:panpanya
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: コミック
枕魚

枕魚

  • 作者:panpanya
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2015/04/27
  • メディア: コミック

誰かの本紹介Blogで取り上げられていたので読んでみた。
おお、これはすごい。
今出ているものを買い集めてしまった。

どういう漫画かというと、すこし不思議(ホントとも嘘ともつかないような)なエピソードの日常漫画。

読み味は、つげ義春に極めて近い。
背景は、精巧でありながら、魚眼レンズ的なパースが強調された黒墨の趣のある絵。
なおかつ、パースの歪みは、いわゆる漫画のコマ割りや動線に沿っている。
よく人物の動きを表現するために微妙に精巧なデッサンを狂わせる、というのはよくある。
しかし、背景の方を歪ませる技術は、主流ではないが、脈々とはある。
その技術が、おそろしくうまい。

そもそもこの人の描く荒い素描画、簡潔にしてうまいのだ。
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これ、章と章の間に扉絵みたいに描かれた素描なのだが、めっちゃ上手いと思わん?
しかも、イラストにするのに、ここ切り取る?
ただ鉛筆でしゃしゃっと描いてるだけなのに、うまさが滲み出てる。
こういううまさ。

とにかくページごとに見とれてしまう。


そして、ふわっとしたテイスト、主人公に女子をもってくる感じは、吾妻ひでおっぽい感じもある。
主人公以外にわけわからん異種族が出てくるところはますむらひろしっぽくもあるし、線のおどろおどろしさは諸星大二郎っぽさもある。

なので、そういうのが好きな人は、ぜひ一読いただければと思う。
まさか令和の時代になって、つげ義春の正当後継者みたいな(しかも『無能の人』ではなく『夜が掴む』の系統)作品に出会えるとは思わなかった。

挙げた四作はどれも面白いのだが、どれもまあ一緒っちゃあ一緒。
この先なんらかの中編ストーリー漫画を描くことがあれば、非常に楽しみではある。

『幸せをお金で買う5つの授業』

オススメ度 90点

洋書なのであるが、『幸せをお金で買う』と言えば、昔のホリエモンの尖った言辞「変えないものなどない」を思い起こさせるのだけど。

あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる

あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる

  • 作者:堀江貴文
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: Kindle
金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?

金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?

  • 作者:堀江貴文
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

これはそういうのと少し趣が違っていて。
幸せを「お金で買う」部分にはそれほど重きを置かれていない。
幸福度が増えない人に対して、ではどうすればより人生の幸福度を増すことができるか、特に経済的な行為(購入など)に関して、という研究である。要するに、「より幸福なお金のつかいかた」くらいに思った方がいい。

ざっくりまとめると、払ったお金に対してもっとも大きな喜びを得られるのは、

  • 他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれる
  • 何年にもわたり楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる経験
  • あなたが感じている自分という人間、あるいはなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験
  • めったにないチャンスを与えてくれる経験

洋書の翻訳なので、ところどころ読みにくい部分はあるが、様々なエピソードを踏まえて語られる。
収入を増やす方法を考えることも大事だが、自分の収入の範囲内で、より幸福感のあるお金のつかいかたができたら、より人生がカラフルなものになるのではないかと思う。確かに。

ちなみに、この本を読んで感じたことだが、「ふるさと納税」っていうのは結構この幸福の要件を満たしているんじゃないか。

ふるさと納税は「特定の地域」との関わりを増やし、他人に対してお金を使っているという感覚も得られる*1
先にお金を払って気が付いたころに商品が届く。
その意味では「定期便」スタイルはなおさら有用かもしれない。

出張にいく、もしくは、仕事上で知り合った人の出身地などをきっかけにふるさと納税を行えば(定期便で)幸福感が強いかもしれない。

(以下備忘録)

*1:実際は税金なので、商取引をしているというわけではないのだが

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『戦国小町苦労譚』

オススメ度 70点

この前5巻がでた。
歴史好き(いわゆる『歴女』)で祖父が農業開発者にて、現在農業高校に通う高校生が、戦国時代にタイムスリップして……
みたいな話である。

まあ例によって、織田信長に拾われるわけですけれども。
戦国自衛隊といい、あの辺の空間にはきっとワームホールでもあるんでしょうかね。

戦国自衛隊』が自衛隊異世界転生だとすると、これは現代の農本技術のタイムワープもの。
実際、歴史マニアの農業高校生という設定に、いささかご都合主義すぎる気はするが、そのせいあって、ストーリーは、非常に円滑に進むこと。実際現代に生きる僕は農業のことを全然知らないので、もしタイムスリップしても、全然役に立たない(ま、その場合は『仁』的な感じになるとは思う。Opはできないけど、怪我くらいなら。)

設定そのものは、農本技術という強みを持ちつつ、身元保証のない高校生女性という、当時の男尊女卑かつ身分社会の中では優位性のないポジションの掛け合わせで、まあ、強みと弱みを持った主人公のストーリーテリングで、まあまあ面白い。

しかし、『転スラ』もそうだが、置かれた状況の難易度がヌルすぎるような気がする。底辺から過酷な状況を這い上がる話というのはあまり受けなくて、あまり不自由のない状況で頑張ってハイスコアを挙げる、みたいなのが多い。これは日本のヌルい社会状況がさせる業なんでしょうかね*1

織田信長は現代から振り返っても、モダニストの極みみたいな人物なのであって、タイムスリップした異質の知識を使いこなせるのも、そりゃ織田信長くらいなんだろうなあ、とは思う。

*1:厳密にいうと、日本でも格差は広がり、貧困層は増えているが、そういう層はマーケットは相手にしていないのだろうと思う。そういう層の立志伝の物語は、今の日本にはない(しいていうとバンドマンと芸人だろうか)、そういう層からの階級上昇を目指しにくい状況が、日本の活力を奪っているのかもしれない。

『伸びる新人は「これ」をやらない!』

オススメ度 80点
これはしかし経営者からは勧められへんやつ度 80点

伸びる新人は「これ」をやらない!

伸びる新人は「これ」をやらない!

新人が身につけるべき態度、考え方、習慣などを書いた本。

少し世代が古い感覚があるが、「甘さゼロ」。
言っていることはかなり正しい。

  • 新人のみなさんは会社に入るまでは「会社を評価する」立場にいたが、社員になった瞬間新人のみなさんは「会社から評価される」立場になる
  • コミュニティの悪口ばかりを吹聴している人を信用できますか?
  • 「教える立場」なのか「学びの獲得をしにいく立場なのか」
  • 時には上司はあえて失敗させることで部下を成長させようとすることがあります
  • そもそも「責任と権限」という視点で考えると、「責任を負わなくてもよい状況で、権限を行使する状態」は一番気持ちがいい状態
  • 立場によって視点はかわる
  • 新人の仕事においては、知識は行動の選択材料にはならず、行動を停止させる材料にしかならない」と考えておいた方がよいくらいです

僕らの世代の頃は、入社するとへらへら笑っていた学生気分から鬼軍曹みたいなそう、中間管理職「トネガワ」みたいな人が、甘っちょろい気分を吹き飛ばしてくれていたが、売り手市場でもあり、グローバル化で、日本の企業文化自体を当の企業が真正面に押し出せない風潮もあってか、うまく新卒の「学生気分」っていうのを吹き飛ばせていない。

うちもそうだ。
(まあ当グループの場合は、昔ながらの企業文化を変えて、リベラルな感じにしたいなと思ってはいるのだが、そういう風土にしたら建設的な意見がボトムアップでも出てくるようになるわけではないのだが…)

 この本で教え説かれる「新人の心構え」は、割と普遍的なものであるとは思うが、現在の働き方の多様化や、新人に寄せてくるような教育方法が増えている昨今、新人にとっては敬遠されがちなことだよなーとは思った。嫌われるようなことも書いているから。
 ただ、この本を平然と読んで、うんうんそうだよなーって、迷いなく仕事人としての完成度を上げていく、ツラが渇いているやつこそが、まあ勝ち残っていく人材なんじゃないかと思った。

ま、しかし「敢えて失敗させる」とかは、今時の基準だったらパワハラ扱いされそうな気はする。ここら辺はちょっと微妙だ。
経営層から、新卒社員へ「こういう風に考えなさい」と本を渡すことは、ちょっと危険な気がする。

2019年買ってよかったもの【書籍編】

去年は、意図的に本を読んだ感想をBlogにアップするようにしていました。7月からペースダウンしましたが、それまでは毎日アップ。
でも実は本を読むペース自体は変わらない。
最近はアウトプット待ちの書籍がたまりすぎて困っています。
漫画以外の本、2019年ベストを列挙してみよう。18冊もあったけど。

『武器になる哲学』

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『劣化するオッサン社会の処方箋』山口周
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山口周にはハズレがない。感じ入る本が多いと思う。

『繁栄と衰退と』

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武装平和主義で重商路線を目指したオランダが、イギリスと海上覇権を競り合い、負けた話。
1980年代の日本にとっては教訓深いが、今はもう落日の日本には、教訓になるかどうか…しかし歴史教養という意味ではいい本。

『心理学的経営』『9つの性格〜エニアグラム』『9タイプ診断』

halfboileddoc.hatenablog.com
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職場でのチームビルディング、メンバーのマッチングに心理学が使えないかというアプローチは、古くて新しい話。来年はもうちょっとこの方面の産業心理学の本を読もーっと。

『フリーズする脳〜思考が止まる、言葉に詰まる』

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高度な知的職業についていても、ルーチンワークだったら脳を使ってないよ。劣化するよ。という警告が非常に沁みた本。

『図解モチベーション大百科』

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ビジネスによく出てくる心理用語・効果とか総花的な紹介をしているのでリファレンスにしやすい。

『読書の技法』

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佐藤優の読書術は、めっちゃプラクティカル。ハードルは高いが。

『マグロ漁船仕事術ー日本一のマグロ船から学んだ!マネジメントとリーダーシップ』

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この本が一番万人にオススメ。
読んでない人はとりあえず買え。
損はしない。

『世にも危険な医療の世界史』

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面白かった。そしてやばくもあった。医学の知識と飲み屋とかの与太話をちょうど繋ぐような知識。

『とてつもない失敗の世界史』

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これも人類の愚行を振り返るのにちょうどいい本。

『アウトプット大全』樺沢紫苑

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これも、総花的な本。ふと気づくと、私の席の横で、親父が『インプット大全』を読んでいたのには笑ったが。

『FACTFULNESS』

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現代の教養書の一つだと思う。
読んでない人は、とりあえず読め。
損はしない(またか)。

『死都日本』石黒耀

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ディザスターものとして迫真にせまっている。
BCP対策とかする人は読んでみられては?
ま、これ読んだらBCP対策する気も失せるかもしれないが。

論語と算盤と私』

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これ、結構いい本だと思うけどいろんな要素を含みすぎているとビジネス書としては「弱く」なる。
結構うなずける部分多い。

『夜の歌』

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これもすごかった。
でも満州からの引き揚げよりも骨肉の争いの方が、きついらしい。

雑司ヶ谷2編』

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あんまり小説を読まなかったけど、これはガツンと来た。人間の脳すげえ。

騎士団長殺し

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今後、村上春樹を語る時は、「あ?あのジャングル通信の村上春樹ね、はいはい」と言おうと決めている(なかなかその機会がない)。

万人向けなのは「マグロ漁船仕事術」でした!

2019年買ってよかったものまとめ【モノ編】

お正月は、もうだらだらとしておりました。
『一年の計は元旦にあり』が真実ならもう今年は、全然あかん、で決まりだ。

ともあれ昨年はありがとうございました。
今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年買ったもの

既婚・子供二人の四人家族、家建てて6年目。
大きな買い物をする状況ではない。
しかし「消費税10%」「消費の冷え込み!」とか喧伝されてたのが気になり、使えるお金があるならお金つかわなきゃ…という気持ちなり、結果的に消費は多かったかも。
あと、国産か外国産か選べるシチュエーションでは、可能な限り国産品を買うようにはしています。服とかね。

Asics Run Walking

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SNSの友人達からすすめられて、Asics Walkingの靴を買ったら、確かにラク
めっちゃラク
多分残る人生、革靴はAsics Walkingだけでも後悔ないっすね。ベルルッティ?糞食らえ。
あと、足の大きさを計測したら、僕の足、24.7cmだったことかな。ちっさ。
(すでに小五の息子の足の方が大きい…)

ロイテリ

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使い始めて4ヶ月経ちましたけど、やっぱりロイテリいいですね。
歯科にも通い始めましたが、これは治療始まったばかり。
けど前はチョコとかガムとか飴とか歯に粘りつく甘いもので『歯髄痛未満知覚過敏以上』の痛みが数日ありましたが、それが全く無い。
歯がらみの痛みやトラブルが少なくなり、QOL向上に貢献しています。

Apple製品。

完全にAppleおじさんと化している昨今。
「昔はアンチアップルだったんだよ」というと、周りの人に失笑されてしまうレベルです。
今年買ったのは、

  • MacBookAir (512GB)
  • iPad pro 10.5 + apple pencil 第二世代
  • iPhone 11 pro

実は型落ちでない携帯端末を買うの、生まれて初めてでした。基本的には「モノにはこだわらない」「ハードよりソフトだろ」「モビルスーツの性能の差が…(以下略)」派だったんです。
が、自分ももういい歳ですし、稼いでますし、それなりのポジションですし、最新のデバイスの恩恵にあずかってもいいよなあと思いなおしました。へんなとらわれから脱するのに45年もかかってしまった。
iPhone 11 Proは「携帯は小さい方がいい」「しかし超広角は使ってみたい」という考えから。今の所満足しています。
MacBookAirは、メイン機のMacbookPro(Late2016)が故障で換装した時にデータが失われたのがきっかけ。バックアップの必要性を痛感したから。おりしも、修理から帰ってきて数ヶ月で、またどえらく動作が不安定になった時に購入。ポチった瞬間MBPは治やがりましたが、携行すると重さが全然違うので、やっぱり買ってよかった。
携帯機としては Proよりも作り込まれてると思う。
iPad ProはそれまでのiPadAir2が容量の限界に達していたので。
halfboileddoc.hatenablog.com

Apple製品は、同じ環境を別のデバイスに引き継げるので、一度なれてしまうと戻れないですね…
まあ、こんなのは今更言うことではなくて「歯ブラシって歯がスッキリするよね」みたいなお前何言ってんだレベルですいません。

ソニーワイヤレスイヤホン"WF-1000XM3"

音楽が趣味ですが、上述の通り、デバイスにはあまりこだわらない主義です。
実は今でも iPod Classic 160GBが僕の携帯音楽端末なのですが、iPhone11もiPad Proもイヤホンジャックないじゃないですか。
なので、長らく有線イヤホンユーザーの自分もさすがにワイヤレスイヤホンのまともなやつを欲しいなあと思っていました。

でこれを買いました。うーん、何の問題もなく快適です。
これを買った直後に稀代の名機と騒がれたairpods proが発売されたことを除けば。ガッデム!

Mykitaのメガネ(Maison Margielaとのコラボ)

最近のBlogには買いていませんが、私はメガネ道楽だったりするんです。
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去年は Gernot Lindnerが欲しいばっかりに東京は奥渋谷のGlobe Specsまでわざわざ買いに行ったくらいなので、察してください。*1

20%くらい色入れています。もちろん仕事には使えないメガネということになりますね。
家族の反応は、
「うっわー……うさんくさー(笑)
  まあしかし似合ってるわ……」
詐欺師のおじさん、だそうです。

Lexus UX

lexus.jp
前の車は8年乗ってて、消費税値上げを契機に買いました。最近は反応速度に自信がなくドライブアシスト機能が欲しかったんです。
私は大型車は苦手で、密着感のある小型・中型車が好き。車に関しては「トランクスよりブリーフ派」てな感じですかね。

レクサスのお店にいって「このなかで一番小さい車ください!」という感じで購入(前回もそうだった)。
結果的には人気車種だったようですね。*2
オーディオにMark Levinson Editionをつけるために、運転得意でもないのにSports Typeだったりしました。
感想:

  • これはもう車ではなくコンピューターやな…
  • クルーズコントロール+レーンアシストで、遠距離移動がだいぶラクになった。
  • マークレビンソンはいわゆるイコライザ機能は一切ない。「そのままどうぞ〜」(千鳥の癖の強い寿司屋風)と言われているみたいだ。音質は…非マークレビンソンのやつに乗りくらべないとわからないよな。

自分のようなへっぽこドライバーには、車の良し悪しなど評価できませんが、とりあえず楽しく乗らせてもらっています。

まとめ。

こんだけモノとか書評とかのBlogで備忘録を書いていてさえ、一年を振り返るって、難しいことですね。
今年もよろしくお願い申し上げます。

*1:今回のやつは岡山の名店eyewear kairosで購入

*2:私は買うものがどちらかというと不人気機種の「βデッキの呪い」にかかっているので、あまりこだわりなく選んで人気車種だったのは、ちょっとうれしかった。

『鬼滅の刃』

オススメ度 100点
いやー、メジャーになっているものってやっぱりすごいのね度 100点

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックス)

最近流行っているものについて、それなりにチェックをいれてはいるんだけど、漫画については、最近遠ざかっていた。
特にJUMPについていえば、ワンピースは乗り遅れ、そしていまだに乗り遅れたままだ。*1

そんな中、最近は『鬼滅の刃』が流行っているということを風の噂に聞いた。
読んでみる。

はっ!ついつい引きこまれてしまった。

導入こそジャンプのB級作品にありがちな雰囲気を漂わせていたが、あっというまにきっちりした世界観に引き込まれてしまうバケモノ作品になってしまった。「化けた」作品だと思う。

化けた理由の一つには、主人公のアツさがある。
主人公の竈門炭治郎と禰豆子の「献身」ぶり。
どちらかというとダークファンタジーの世界で、ゴレンジャーでいうとアカレンジャー気質の主人公のドストレートさに、ハマる。
浮世に身をやつす汚れた心の45歳中年の心も洗われて、ついつい「とうとい…」と呟いてしまう。

主人公が心中のフキダシで、弱い自分の心の声、そしてそれを鼓舞して頑張る姿が、とにかくもう、ただ、ひたすらアツい。

俺はもうほんとにずっと我慢してた!!
善逸を女の子から引き剥がした時も声を張ったときも
すごい痛いのを我慢してた!!
俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった

には、僕も突っ込んだけどね。
そういうこと心の中でいっちゃうのが、主人公のリアルなところ。

* * *

私は一世代上のいわゆる「シラケ世代」というか、人格形成期が、物事を斜に構えて見る80年代(…ナノダ…ナンチャッテ!)だった。
ひねりとアイロニーに満ちたこの世代からすると、まがうことなき「アカレンジャー」。
正々堂々と皆の思いを背後に受けて活躍する主人公というのはあまりにも新鮮に映る。
*2
ただ、舞台となる大正時代っていうのは、明治・昭和のシリアスさよりも「大正デカダンス」っぽい洒脱さがあり、どちらかというと、1980年代の雰囲気に近いのかも…と思ったりした。

アニメもコミックの忠実な再現でよかった。丁寧に作り込まれていましたね。

*1:気がついたらすんげーボリュームになっていて、読むのがためらわれる

*2:例えば、ドラゴンボール孫悟空も、アカレンジャーっぽい屈託のなさで描かれるが、例えばブルマとかクリリンとかウーロンとかが「あいつ空気読まねえなぁーみたいなツッコミを必ず入れるところにその世代っぽさがある